米Microsoftは,Windows XP Service Pack 2(SP2)のInternet Explorer(IE)において,閲覧したWebサーバーのログに新しい判別項目が残るように仕様を追加した。これは同社のIE開発チームが運営するブログの中で明らかにしたもの(該当サイト)。

 Webサーバーのログにあるユーザー・エージェント文字列(WebブラウザからWebサーバーに送るもの)をチェックして,次のようなエントリがあるとする。

HTTP_USER_AGENT :Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 1.0.3705)

 この「SV1」はWindows XP SP2が閲覧していることを示している。SV1は「セキュリティ・バージョン1」の意味。Microsoftがバージョン番号を変える代わりに,なぜSV1などというものを加えたのか不思議に思うかもしれない。

 同社IE開発マネージャのBruce Morgan氏は,ブログの中で次のように語っている。「われわれは過去の経験から,バージョン番号を変えることは,Webサイトやアプリケーションの互換性に非常に大きな影響を与えることを知っている。われわれはXP SP2とWindows Server 2003のSP1におけるIEでは,ページ・レンダリング,DHTML(ダイナミックHTML),オブジェクト・モデル,あるいはそれと同程度のものとしてIEのバージョン番号の変更が,Webサーバーに影響を与えないようにした。そこでSV1を追加して,バージョン番号を変えずにユーザー・エージェント・ストリングに記録を残すような,納得のいく解決策を出したわけだ」。

 Microsoftが,SV表示を続けるかどうかに関して,Morgan氏は「将来,XP SP1からXP SP2への変更と同じくらい大きなセキュリティ強化の変更を発表したいものだ。われわれはプラットフォームが変わるようなとき,恐らくIEのバージョン番号を変えるだろう。あるいは,単純にSV1をSV2にするかもしれない。IEのバージョンアップをしたときに,SV1の表示を取ってしまうかもしれない」とあくまで不確定だと語った。

(Mark Joseph Edwards)


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