米Adaptecは新しい技術戦略を進めている。9月に入って「Adaptec Flexible Storage Architecture(FSA)」と呼ぶ新しいストレージ技術を発表した。FSAは,モジュール方式で相互接続可能なコンポーネントやソフトウエア,システムを開発する。そしてモジュールを組み合わせることで,簡単なディスク・アレイから高可用性システムにわたるまで,様々なカスタマイズしたストレージ・ソリューションを開発できるという。これはかつてMS-DOS/Windows 3.1時代に,SCSIアダプタ・ボードの標準ドライバ「ASPI(Advanced SCSI Programming Interface)」でリーダーシップを取っていた同社の再現を狙うものだ。

 AdaptecのStorage Solutions Group担当のAhmet Houssein副社長によると「Adaptecは,業界で実証されたコンポーネントとソフトウエアを統合し,目的に応じてストレージ・システムを開発できるようにした。AdaptecのFSA開発プラットフォームには,業界のトップ企業も賛同している」という。米IBMは,FSAを利用したエントリ・レベルのストレージ・システムとして,「TotalStorage DS300 Internet SCSI(iSCSI)」と「TotalStorage DS400 Fibre Channel」の2機種を出荷する。

 FSAは,「コンポーネント」「システム」「ストレージ・ソフトウエア」「管理ツール」の4つのカテゴリに分けられる。「コンポーネント」は,Fibre Channel,iSCSI,SCSI,シリアルATA(SATA),SAS(Serial Attached SCSI)といった技術に基づいて,ASIC,RAIDボード,コントローラを提供する。「システム」のカテゴリには,Fibre Channel,iSCSI,SCSI,SAS,SATAといったストレージ接続のためのシステムを提供する。FSAの「ソフトウエア」には,RAIDデータ保護,仮想化,ミラーリング,スナップショット,バックアップ,リカバリの機能が含まれる。同社では,近い将来に,スナップ・アプライアンス・ソフトも提供する予定である。「管理ツール」は,システム管理者に向けたGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)のストレージ管理ツールから成る。

(Keith Furman)




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