「システム展開・運用する時間を削減して,浮いた時間をビジネスの価値が増大するような仕事に向けてほしい」――米Microsoftのサーバー&ツール・マーケティング担当コーポレートバイスプレジデントのアンドリュー・リーズ氏(写真)は,横浜で9月7~10日に開催している「Tech・Ed2004」の基調講演で,こう語った。

 リーズ氏はコンサルティング会社による調査結果を挙げ,「IT開発リソースの7割が既存システムの運用,3割が新しい開発振り向けられている。マイクロソフトは,この状況を変えて行きたい」という。基調講演では,仮想企業「MSファイナンシャル・グループ」を舞台にした寸劇とともに,システム管理ツール「Systems Management Server 2003」,サーバー管理ツール「Microsoft Operations Manager 2005」などのデモンストレーションを見せた。Microsoft社内でもこれらの製品を利用しており,「年間で900万ドルの管理コストを削減できた」(同氏)という。

VS 2005 Team Systemで開発生産性をデモ
 今後登場する製品で,システム管理を効率化するものと位置付けているのが,.NETと統合した「Visual Studio 2005」である。「記述するコードを50%以上削減して,アプリケーションのテスト,展開にかかるコストも劇的に下がる」。デモでは,ベータ版が公開されたばかりのVisual Studio 2005 Team Systemを利用して,設計者や開発者が情報を共有しながら開発やテストを進められる様子を紹介した。

 このほかマイクロソフトが力を入れているセキュリティ対策として,「Internet Security and Acceleration Server 2004」による検疫ネットワークのデモや,Exchange Serverのスパム対策機能「インテリジェント・メッセージ・フィルタ」のデモを行った。

 Tech・Edは今年で10周年を迎える。マイクロソフトのマイケル・ローディング代表執行役社長兼マイクロソフト コーポレーション コーポレートバイスプレジデントは,「Windows 95のころに始まり,当時の参加者は1500人程度。ほとんどのセッションが英語だった。今年の参加者は2倍の3000人になる見込みで,セッションの9割が日本語になっている」とこの10年の成長ぶりを説明した。

(坂口 裕一=日経Windowsプロ

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