米Microsoftは,27日(米国時間),同社が次期Windows「Longhorn(開発コード)」を計画通り2006年に出荷することを明らかにした。詳細は明らかではないが,WinFSのような主要機能を落として期日に間に合わせる。AvalonとIndigoは,Windows XPおよびWindows Server 2003向けに別途提供される見込みだ。2006年に提供されるLonghornは以前に予想された新機能をすべて搭載しないことになる。

 「8月にWindows XP Service Pack 2を出荷したことで,MicrosoftはLonghornをどんな仕様でいつ提供するのかの計画を最終的に決定した。結論として弊社は,2006年中にLonghornを一般に広く売り出す。Longhornはユーザーの生産性を大きく向上させ,ソフトウエア開発者に新しい機能を提供するとともに,著しくセキュリティを強化し,導入を容易にしたり,信頼性を向上させたりするものになる」とMicrosoftは発表している。

 さらに「弊社は,開発コードでWinFSと呼ばれるWindowsの新しいストレージ・サブシステムをLonghornの後に提供する。WinFSはLonghornのクライアント版の出荷時点でまだ開発途中のベータ版の段階だと思われる。Longhornの新機能とされていたWinFXという開発者向けの技術やAvalonという開発コードの新しいGUIサブシステム,Indigoという開発コードの新しいコミュニケーション・サブシステムは,Windows XPやWindows Server 2003向けに2006年に提供される。Longhornのサーバー版は依然として2007年に出荷する予定だ」という。

 この変更は明らかに,LonghornがWindowsの最も大きなアップデートであるという同社の以前の約束を大きく逸脱している。しかしながら,同社はLonghornの出荷予定を次第に延期して,Longhorn関連のプロジェクトの再スタートを余儀なくされている。例えば,この8月には,Windowsのコア技術を担当するチームが,Windows ServerをベースにLonghornのソース・コードを部品化する計画をあきらめ,Windows XP Service Pack 2のコードをベースした計画をゼロからスタートさせることになった。この変更だけでも,Longhornの計画は当初のものより数カ月遅れるだろう。

(Paul Thurrott)