米Microsoftは米国時間8月10日,「Windows XP Starter Edition」のパイロット・プログラムを5カ国で開始すると発表した。Windows XP Starter Editionとは,Windows XPの機能を落とした新しい廉価版で,初めてコンピュータを使うユーザー向けに設計されたものである。

 MicrosoftがXP Starter Editionの開発を決めたのは,いくつかの政府がコンピュータのハードウエアとソフトウエアのコストが“デジタル・デバイド”を促進し,そういった国々でのコンピュータの普及を遅らせていると考えたからである。

 タイ政府の情報通信技術担当相(Minister of Information and Communication Technology:ICT)であるSurapong Suebwonglee氏は,「Windows XP Starter Editionは,わが国民とその将来に大きな恩恵をもたらすため,Microsoftがタイ政府と深く協力している証だ。XP Starter Editionの開発は,初めてPCを使うユーザーにとって,ソフトウエアをより入手しやすく,より扱いやすいものにすることで,わが国内のデジタル・デバイドに橋をかける一助となる第一歩を示すものだ」と語った。

 インドネシア,マレーシア,タイに加えて,未公表の2つの国が12カ月のテストに参加する予定である。MicrosoftはXP Starter Editionの価格を発表しなかったが,同社はこのOSがかつて販売された中で一番安いWindowsになるだろうと発言している。この製品はPCメーカーとそのほかの流通経由で提供される予定だ。パイロット・プログラムの実施中にMicrosoftは新しいコンピュータ・ユーザーがどのくらい簡単にその製品を使うのに慣れるかを調べるつもりだ。

 8月10日に筆者が取材したMicrosoftのある情報提供者によれば,XP Starter Editionは基本的にはXP Home Editionの改訂版であり,いくつかユニークな新機能を含むが,同時に3つのウインドウしか表示せず,800×600ドットの解像度に制限されている。このソフトウエアはMy Supportという新たにローカライズされたヘルプ・システムと,各国独特のカスタマイズ,さらにXPのほとんどの機能を一緒に搭載して出荷される。ただし,このOSはPC対PCのネットワーク,プリンタ共有,複数のユーザー・アカウントをサポートしない。

 同社によると,XP Starter Editionが10月には入手可能になるという。入手でき次第この製品の関する詳細をお知らせするつもりである。

(Paul Thurrott)