米Microsoftは8月10日(米国時間),Windows XP Service Pack 2(SP2)が勝手にインストールされにくくするツールを公開した。このツールを実行したパソコンでは,自動更新機能やWindows Update経由でXP SP2がダウンロードできなくなるという。

 Windows XP SP2は,セキュリティを強化する半面,OSのバージョンアップに匹敵する変更が加えられるので,「検証が済むまでエンドユーザーにはXP SP2を適用させたくない」と考えているシステム管理者は多いだろう。しかし,Windows XPの「自動更新機能」が有効になっていると,XP SP2が自動的にダウンロードされ,インストールされる可能性がある。エンドユーザーがWindows Updateを利用した場合にも,同様の事態が懸念される。

 今回公開された「Executable to Temporarily Block Delivery of Windows XP SP2 to a PC Through Automatic Updates and Windows Update」というツールをWindows XPマシンで実行すると,XP SP2が自動更新機能またはWindows Update経由でダウンロードできなくなる。

 このツールは「HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate」というレジストリ・キーに「DoNotAllowXPSP2」という値の名前を作成して,その値を「1」にするというもの。なお,英語版しか公開されていないことに加えて,自動更新機能やWindows UpdateにてXP SP2の配布が始まっていないため,実際にこれが日本語版の環境で有効かどうかは現時点では不明である。

 またMicrosoftでは同時に,上記ツールで一時的に禁止した自動更新機能やWindows UpdateでのXP SP2のダウンロードを再び可能にするツール「Executable to Un-block Delivery of Windows XP SP2 to a PC Through Automatic Updates and Windows Update」も併せて公開した。検証作業が済み,XP SP2を展開する段階になったときに利用するツールと思われる。

補足:米MicrosoftのWebサイトによると,このツールによってWindows XP SP2のダウンロードを禁止できる期間は,8月16日から120日間(4カ月)であるという。またこのサイトでは,英語版のWindows XP SP2のリリース・スケジュールについて,下記のように説明している。

8月6日 量産のための製造工程への出荷(RTM)

8月9日 ダウンロード・センターで提供開始

8月10日 製品候補版のWindows XP SP2をインストールしてあるマシンに対して,自動更新機能経由でWindows XP SP2を提供開始

8月16日 SP2以前の通常のマシンに対して自動更新機能経由でWindows XP SP2を提供開始

8月16日 Software Update Services(SUS)に対して提供開始

 なお日経Windowsプロではこれまで,マイクロソフトの説明に基づき,Software Update ServicesではWindows XP SP2を展開できないと報じてきた。しかし同社はこのほど,Windows XP SP2がSUSで展開できることを明らかにした。

(中田 敦=日経Windowsプロ