マイクロソフトは8月5日,現行のサーバーOS「Windows Server 2003」と,2005年に登場する64ビット版サーバーOS「Windows Server 2003 for 64-bit Extended Systems 日本語版」とを交換する方針を示した。日本ヒューレット・パッカードが同日開催した,64ビット対応サーバーの製品発表会の中で明らかにした。

 マイクロソフトの高沢冬樹サーバープラットフォームビジネス本部Windows Server製品部長(写真)は,「無償または実費程度で,64ビット版に交換するプログラムを計画している。64ビット版Windowsは,2005年前半のできるだけ早い時期に出荷する」という。

 マイクロソフトによると,64ビット版プロセッサを搭載したサーバーで,OSを32ビットから64ビットに変更すると,Active Directoryの処理能力が2倍になったり,32ビット版データベースの処理速度が17%向上したりする,という。このほか「多くの既存の32ビットアプリケーションのパフォーマンスが向上する。64ビット版Windowsでは,32ビットと64ビットのアプリケーションが共存可能」(マイクロソフト)としている。

 ただし64ビット版のWindows Server 2003に交換した場合,従来使っていた32ビット版は継続して利用できなくなる。「ユーザー企業は,64ビット版Windows Server 2003をクリーン・インストールすることになる」(マイクロソフトの高沢部長)。Windows Server 2003はインストール時にアクティベーションが必要で,これによって64ビットに切り替えたかどうかがマイクロソフト側で分かる仕組みになっている。

(坂口 裕一=日経Windowsプロ