マイクロソフトは8月3日,Visual Studio 2005とSQL Server 2005の各日本語ベータ版を提供開始した。Visual Studio 2005はベータ1,SQL Server 2005はベータ2に当たる。実装されている機能は,6月29日に公開された英語版と全く同じ。これまで公開されていたVisual Studio 2005およびSQL Server 2005のTechnology Preview版やベータ版はすべて英語版で,日本語版が公開されるのはこれが初めて。なお,SQL Server 2005英語版ベータ2には64ビット版も用意されているが,64ビット対応の日本語版ベータ2は用意されていない。

 MSDN会員は,既に会員専用Webサイトからダウンロードできる。9月には,CD-ROM/DVD-ROMでも送付される予定である。また,9月7日から横浜で開催されるTech・Ed 2004 Yokohamaの参加者にも配られる。

 さらに,Visual Basic 2005 Express,Visual C# 2005 Express,Visual Web Developer 2005 Express,SQL Server 2005 Expressの公開も始まった。Webサイトからだれでもダウンロードできる。Express版には,ほかにVisual C++ 2005 ExpressとVisual J# 2005 Expressもあるが,これらに関しては英語版のみダウンロードできる。

 Visual Basic 2005 Expressなど開発ツールのExpress版は,Visual Studio 2005に比べて機能を絞り込み,より分かりやすく,使いやすくしたもの。Visual StudioはWindowsアプリケーションやWebアプリケーションといった複数の動作形態,BasicやC#といった複数のプログラミング言語を利用でき,プロや熟練者にとっては機能が豊富だが,学習者にとっては操作が複雑になり,それが学習の妨げになっていた部分もある。Express版では,開発対象と利用する言語を絞り込んだ。Visual Basic 2005 ExpressとVisual C# 2005 Expressは,Windowsアプリケーション開発の専用ツールで,それぞれ利用可能な言語はVisual Basic.NETまたはC#に限られている。Visual Web Developer 2005 Expressは,Webアプリケーション開発専用ツールで,.NET対応言語が利用できる。なお,無償提供されるかパッケージ販売されるかなど,Express版の提供形態は未定である。

 一方SQL Server 2005 Expressは現在のMSDE 2000(SQL Server 2000 Desktop Engine)の後継で,だれでも無償で利用できる。SQL Server 2005に比べると,利用可能な主記憶容量が1Gバイトに限られている,データベースの大きさが最大4Gバイトに限られているなど制限がある。データベース・エンジンとコマンド・ライン・ツールのみのMSDEと異なり,SQL Server 2005 ExpressにはSQL Server Express Managerと呼ぶデータベース管理とクエリー分析の新しいGUIツールが用意される。

(山口 哲弘=日経Windowsプロ