米Microsoftは,Windows Server 2003 for 64-Bit Extended Systemsの新しいベータ版を出荷することを明らかにした。同OSはIntelおよびAMDがそれぞれ32ビットCPUとの互換性を強化して開発した64ビット・プロセッサ向けの製品。同社は,2005年初めに出荷が予想されるこの64ビット版Windows Server 2003への移行を促進するための交換プログラムも準備中である。

 同社Windowsサーバー・ビジネス・グループのDennis Oldroydマネージャは「この1月からWindows Server 2003 for 64-Bit Extended Systemsの事前検証プログラムを実施してきた。Webサイトでのダウンロード数は2万回以上で,大成功だった。8月2日からIntel EM64T(Extended Memory 64 Technology)アーキテクチャを採用したXeonプロセッサとAMD64アーキテクチャを採用したOpteronプロセッサの両方をサポートする新しいベータ版を提供する」という。

 1月の時点では,x86と互換性のある64ビット・プロセッサとしてAMD(Advanced Micro Devices)製品だけが正式に利用できた。その後Intelは,AMDの64ビットOpteronとAthlon 64プロセッサと互換性を持つXeonやPentium4を発表した。それら64ビット・プロセッサは,今週初めに登場する。

 Oldroydマネージャは,Intel EM64TかAMD64プロセッサを購入する顧客に対して,既存の32ビット版Windows Server 2003のCD-ROMを64ビット版のものに交換する米Microsoftの計画について話した。「まだすべての詳細は説明できない。2005年に製品版が出荷されたとき,32ビット版のWindows Server 2003を購入した顧客に対して,交換プログラムを提供するつもりだ。(PCメーカー)への価格は32ビット版と同じなので,等価交換になるだろう」。8月2日(米国時間)から顧客は64ビット版Windows Server 2003のベータ版をMicrosoftのWebサイトから注文できるようになる。

 Oldroydマネージャは,交換プログラムは顧客の利益になると見ている。なぜなら64ビットのサーバーを評価している顧客は,32ビット版OSの利用に縛られたくないからである。「すぐに評価フェーズにある64ビットのシステムを見ることだろう。多くの人々が64ビットのサーバーを動かすだろうが,32ビットのソフトウエアを好んで動かし続けるだろう。しかし64ビット版のドライバとアプリケーションが登場すると,人々は64ビットのWindowsへアップグレードする決定をする」と,Oldroydマネージャはいう。

 64ビット版WindowsサーバーOSの新しいベータ版に関して,Oldroydマネージャが語ることは多くない。機能面でOSは,既存の32ビットのWindows Server 2003と同じだからである。しかし,より多くのハード・メーカーが64ビット版のサーバー・マシンを今後出荷し始めると,Oldroydマネージャは64ビットの製品が主流になると予想している。

 いったんそうした動きが起これば,アプリケーション開発者は,64ビット・プロセッサを搭載したサーバー固有の機能を開発するだろう。「そのうち64ビット対応サーバー市場用の支配的なプラットフォームになる」とOldroydマネージャは語った。

(Paul Thurrott)