米Microsoftは7月26日(米国時間),データベース管理システムの次期版「SQL Server 2005」(開発コードYukon)のベータ2の提供を開始した。予告された数々の特徴を実装しており,32ビット版と64ビット版の両方が用意される。また,AMD Opteronプロセッサなどに装備されたI/Oやメモリー・コントローラをCPUに直接接続する機能「Direct Connect Architecture」がサポートされる。

 「AMD OpteronプロセッサによってSQL Server 2005ベータ2は32ビット版と64ビット版の両方で投資を保護しつつ非常に高いパフォーマンスが発揮される。企業が32ビットのシステムを64ビットに移行するときは,スムーズな移行パスが必要になるが,それをAMD64アーキテクチャのプロセッサが提供する。テスターの方々は,AMD64のDirect Connect Architectureがシステム・バス(FSB)のボトルネックを解消してシステム全体のパフォーマンスを改善する様子を実感してほしい」(米Advanced Micro Devicesバイス・プレジデントMarty Seyer氏)。

 Direct Connect Architectureのサポートに加えて,SQL Server 2005ベータ2には以下のような特徴がある。

SQL Server Management Studio:現行のSQL Server管理ツールを置き換えるもので,SQL Server分析サービス,SQL Serverエンタープライズ・マネージャ,SQLクエリー・アナライザを1つにまとめている。

スケーラビリティと可用性の強化:データ・パーティショニング,データベース・ミラーリング,スナップショット・アイソレーション(SI),SQLサービス・ブローカなどにより,現行版に比べてスケーラビリティと可用性が強化される。

セキュリティの強化:データベースの暗号化をサポートすることで,顧客情報の保護などが容易になる。

新しいエディションの追加:標準的なエディションに加えて,Expressエディションが加わる。これは開発者向けのMSDEを置き換えるもの。また,Mobile Editionが,ポケットPCなど用のSQL Server 2000 Windows CE Editionの後継として登場する。

開発ツールとの統合:開発ツールの次期版Visual Studio 2005と緊密に統合される。

 SQL Server 2005ベータ2は,MSDN(エンタープライズ,プロフェッショナル,ユニバーサルの各サブスクリプション)から入手できる。より詳しい情報はMSDNのWebサイトを参照してほしい。

(Paul Thurrott)