米Microsoftと米Lindowsは米国時間の7月19日,商標侵害訴訟で和解したと発表した。Microsoftは,Lindowsに2000万ドルを支払い,Lindowsは9月半ばまでに社名をLinspireに変更する。同時にLindowsは,Lindowsに関連したドメイン名をMicrosoftに引き渡して,Lindows名称の使用をやめる。また,Lindowsは,4年間,Windows Mediaフォーマットを無料で使用するライセンスを得る。

 両社の代表は,それぞれ以下のようなコメントを発表した。

 「今回の訴訟は,国際商標法の基盤をもとしており,Windowsという商標侵害に対する必要不可欠な行動であった。今回の和解はそれに関して申し入れられている。今後,区別しやすい名称でLindowsと競争できることをうれしく思う」(Microsoftコーポレート・バイス・プレジデント兼法務顧問代理のTom Burt氏)。

 「今回の訴訟を,ビジネスの良識によって終わらせることができてうれしく思う。今後,2~3カ月かけてLindowsは,世界中で会社名およびOS製品の名称としてのLindowsの使用をやめ,Linspireに変更する」(LindowsのCEO Michael Robertson氏)

 Lindowsは,2001年7月,MP3.comも手がけたRobertson氏によって創設された。同社は,明らかにWindowsの商標を持つMicrosoftをいらいらさせるためにLindowsの名称を選んだ。予想通り,MicrosoftはLindowsを2001年12月に訴えた。Lindowsという名称が商標を侵害していると告発したのである。だが,Microsoftが思うように裁判は運ばなかった。連邦地裁は,Windowsが商標として適切かどうかに疑念を抱き,公判の日程が設定された。これに対し,Microsoftは欧州でLindows名称の使用禁止命令を勝ち取り,Lindowsは欧州の特定の国でLinspireに名称を変更した。同社はその名称を今後世界中で利用することになる。

 創立から収益的に厳しい運営を強いられてきたLindowsだが,今やMicrosoftからの2000万ドルと,19日のIPO(株式公開)の申請による3900万ドルによって事態は好転しそうだ。合計で5900万ドルもの資金は,同社の1300万ドルの借金を支払うのに十分である。

(Paul Thurrott)