マイクロソフトは6月17日,中学生以上の学生を対象に同社の開発ツール「Visual Studio .NET theSpoke Premium Version 2003」を4830円で発売すると発表した。6月25日から発売する。低価格で開発ツールを提供してほしいという学生の声にこたえたもの。これまでも同社は,学生や教員向けの廉価販売版であるVisual Studio .NET Academic 2003(推定小売価格2万4800円)を用意していたが,それでも学生には高価で,なかなか手を出しにくかった。theSpoke Premiumは,パッケージの製品構成はAcademic相当で,機能はVisual Studio .NET Professional 2003と同じである。開発言語としては,C++,C#,Visual Basic.NET,Visual J#が含まれる。theSpoke Premiumを利用して開発したソフトウエアの商用販売も可能である。購入資格は中学生以上の学生に限られるが,卒業した後も継続利用できる。
theSpoke Premiumを使用するには,パッケージ購入後,後述するtheSpokeに登録し,パッケージに同こんされている申込書と学生証などをマイクロソフトに送付して,プロダクト・キーを取得する必要がある。製品にはアクティベーション(インターネットなどを利用した製品の有効化)機能が組み込まれているため,プロダクト・キーがないと利用できない。マイクロソフトはプロダクト・キーの発行には2週間程度かかるとしている。それまでの間は,パッケージに同こんされているVisual Studio .NET 2003 60日限定評価版を利用してプログラミングできる。
同社は,学生向けのコミュニティ・サイトである「theSpoke」も,6月25日にオープンする。主にプログラミングに関するサイトで,Visual Studioの購入にかかわらず無償で参加できる。掲示板やWebログ(blog),「ハブ」と呼ぶ会議室などの機能を提供する。ハブには,だれでも参加できる「パブリックハブ」と,招待された特定のメンバーだけが参加可能な「プライベートハブ」がある。スポーツや車など,ハブのテーマはプログラミングに限らない。だれでもプライベートハブを開設できるので,これを利用すればオンラインの同好会などを作れる。マイクロソフトは,学生同士が互いにIT技術を学び合う場として利用されることを期待している。