最近,米Microsoftが取得した2つの特許がそのライバルたち(特にオープン・ソース陣営)を不安に陥れている。同社が(過去にもあったように)その市場での支配力を使って競合相手をつぶす手段に使うのではないか,と思われているのである。

 だが,それは誤解である。第1の特許はハンドヘルド機器のハードウエア・ボタンを使ってアプリケーションを起動するプロセスに関するものだ。最初のクリックでアプリケーションを起動し,ダブル・クリックするともう1つ別のアプリケーションを起動する,という内容になっている。オープン・ソース寄りのWebサイトはすぐに「Microsoftがダブル・クリックの特許を取得」という見出しを立てた。しかし,これは正しくない。今回特許を取得した手法は携帯機器上のハードウエア・ボタンだけを対象にしたもので,マウスは対象外である。

 2つ目の特許は,Visual Studio .NETなどの開発ツール内で「仕事(タスク)」リスト表示に関するもの。自動生成されたソース・コード内にある専用のコメントがチェック・リストと統合されており,プログラマは自分たち仕事の進ちょく状況の評価に使えるという内容だ。これもあたかもタスク・リストの特許が成立したかような誤解が生じかねないだろう。

(Paul Thurrott)