Microsoftブラジル法人のEmilio Umeoka社長が先週,ブラジル政府に懸念を表明した。同政府は公的な用途のコンピュータにLinuxを採用すると決めている。

 Emilio Umeoka氏は,「もしこの国が,以前国内の情報技術産業を保護したときと同じように,再び閉鎖的になれば,今から10年後にわれわれは重要でない分野にしか力を持たないことに気が付くだろう。こんなことをしていては,終わりの始まりだ」と述べた。Umeoka氏は,ブラジル政府が20年前に高関税でIT産業を守る判断をしたことを引き合いに出した。これにより,本来は高成長するはずだった期間に海外からの投資を引き付けられず,かえって大きな損失を与えたという。

 「今回のことが,この国に投資を引き付ける最良の方法なのかは分からない。しかし,輸出による発展の基盤を創造する最良の方法ではないと思う。無料のものからは収入が生まれないからだ」。Umeoka氏は,ブラジル政府のこの決定が,同国内でのMicrosoftのセールスを悪化させることはないとした。彼が懸念しているのは,ブラジルがさらに大きな経済発展のチャンスに乗り遅れることだけである。

(Paul Thurrott)