ニューヨーク州エリー郡のMichael D'Amico判事は先週,「Buffalo Spammer」の名で知られるHoward Carmack被告に対して有罪を宣告し,3年半から7年の禁固刑を言いわたした。Carmackは盗んだID情報を使って開設したISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のアカウント経由で,8億5000万通のジャンク・メールを不正送信したという。

 Carmackは,「今回の行為すべてをはっきり後悔している」と言ったが,彼は驚くことに罪を認めていなかった。そればかりか,自分の犯罪によってだれも犠牲になっていないとも主張していた。「私は犠牲者というものを見ていません」と言った。

 D'Amico判事はこれに同意せず,手に負えないスパマーに対して,最大限度の刑を課す判決を下した。判事は「みんながあなたに不公平なことをしていると思っているかもしれないが,それを十分考慮したうえで解釈している」と言った。「あなたはだれかのIDを盗み,自分のしたいことに,何でもそれを使っていいと考えている。あなたはたくさんの人に危害を加えたのだ」。ISPのEarthlinkによれば,Carmackは盗んだID情報を使って約350の電子メール・アカウントを作り,それを使ってスパムの山を送った。この一件とは別に,Earthlinkは既にこのスパマーから1億6400万ドルの民事の賠償金を勝ち取っている。私の意見としては,このスパマーは冷たい扱いにもう耐えられないだろうと思う。

(Paul Thurrott)