やはりWindows XP Service Pack 2(SP2)は,SP1と同様に海賊版のWindows XPにはインストールできないようだ。これまで一部の報道で,SP2が海賊版にもインストールできると伝えられていた。しかし,今週Microsoftはこれを否定した。

 Microsoftの担当者は次のように語っている。「Windows XP SP2は海賊版や違法コピー版にもインストール可能との報道がなされているが,これは間違いだ。SP2はインストール時に,OSのプロダクトIDが海賊版に使われている既知のIDと一致するかどうかを調べる。もしも一致すれば,SP2はインストールされない」。

 SP2の出荷は,当初予定されていた2004年上半期から遅れ,現在は7月または8月に予定されている。その大きな理由は,SP2を適用後に動かなくなるソフトやサービスが見つかったためだ。XP SP2には,デフォルトでオンになるファイアウオール機能など,たくさんの新しいセキュリティに関する機能が実装されている。

 Microsoftの情報筋によると,先週の段階では海賊版にXP SP2をインストールさせないという決定は,明らかになっていなかったらしい。状況は複雑だ。MicrosoftがXP SP2の新機能を海賊版ユーザーに与えたくないことは明らかだ。しかし,パッチを当てられない海賊版のWindows XPを,攻撃者がコンピュータ・ウイルスの代わりに使って,正規ユーザーに対して分散攻撃を仕掛けたら何が起こるだろうか。結局Microsoftは,海賊版のシステムを守ることより,海賊版にSP2をインストールさせない方がよいと判断した。Microsoftの判断が正しいことを願おう。

(Paul Thurrott)