欧州共同体委員会(EC)は4月21日,3月に決定したMicrosoftへの記録的な制裁金に対する背景説明として,300ページの報告書を公表した(該当サイト)。報告書は,Microsoftに対して独占禁止法違反で4億9700万ユーロもの制裁金を課す決定を下した経緯を詳細を述べており,Microsoftのビジネス活動と同社経営陣が,市場での自社の地位をどう見ていたかに関する歴史的な考察を含んでいる。

 さらにMicrosoftに対して,Windows Media Player(WMP)を含まない「Windows XPの修正版」を出すよう要求したことに関する深い説明もしている。この修正版(報道の中で嘲笑気味に「Windows XP Lite」と呼ばれていた)は,すべてのエンドユーザーがPCメーカーからWindowsを買ったかどうかには関係なく,入手可能になるというものだった。報告書によれば,PCメーカーとユーザーがWMPを含んだWindows XPを購入する場合に,Microsoftは割り引きして提供することを禁じられるうえに,修正版は無修正版と同じ性能を発揮できなくてはいけないということが書かれている。

 Microsoftは公開前に欧州共同体委員会の報告を見ているので,すぐにこれに対する7ページの回答を発表した(該当サイト)。この中で,結局のところ単純にMicrosoftは「違う!」と言っている。

 その回答では,EC側の裁定は新法を作るもので,法律上の欠陥に満ち溢れていると主張し,Microsoftを当局の過剰な規制による犠牲者であると主張している。Microsoftは今回の裁定に控訴している最中である。

(Keith Furman)