マイクロソフトは4月22日,東京で開催された開発者向け会議「AMD & Microsoft Software Developer Conference」で,64ビットCPU対応Windowsの詳細な製品構成や開発スケジュールなどを明らかにした。今後,Windowsは32ビットCPUと2種類の64ビットCPUにそれぞれ対応していく。

 同社サーバープラットフォームビジネス本部Windows Server製品部の藤本浩司マネージャは「UNIXは既に64ビットCPUに対応しており,Mac OSも64ビットへ移行している。Windowsだけが32ビットとどまる理由はない」と64ビットへの対応は,自然な流れであることを強調した。今後は,32ビットWindowsの開発を継続するとともに,「64-bit Extended Systems」と「Itaniumプロセッサ・ファミリ(IPF)」という2種類の64ビットCPUアーキテクチャをWindows XPやWindows Server 2003でサポートしていく。次期Windows(開発コード名Longhorn)でも32ビットと2つの64ビットの計3種類のコードが提供されるという。

 64-bit Extended Systemsという名称は米Advanced Micro Devicesが開発した「AMD64」と米Intelの「Intel Extended 64 Technology」に対応するWindowsに付けられる。IPFに対応するWindowsには「Itanium-Based Systems」の名称が付く。各OS製品の正式名称は,以下の通り。

64-bit Extended Systems版
・Windows XP 64-bit Edition for 64-bit Extended Systems
・Windows Server 2003 for 64-bit Extended Systems

IPF版
・Windows XP 64-bit Edition for 64-bit Itanium-Based Systems
・Windows Server 2003 for 64-bit Itanium-Based Systems

 64-bit Extended Systems向けの製品は,2004年第4四半期にリリース予定のWindows Server 2003 Service Pack 1と同時に提供する予定。このWindows Server 2003にはStandard/Enterprise/Datacenter Editionの3つのエディションがある。IPF向けにはWindows XPとWindows Server 2003,Enterprise/Datacenter Editionを既に提供しているが,新たにWindows Server 2003,Standard Editionを出荷する。

 現在64-bit Extended Systems向けのWindowsは英語版のベータ版が提供されている。今後は,6月中旬に日本語版のベータ版を開発者向けに公開,8月下旬にマーケティング・ベータと呼ぶRC(製品候補)ビルドを一般に公開する。そのフィードバックを反映させて,2004年第4四半期にRTM(量産工程に出荷するための完成品)版が提供される予定である。

 ほかには,年内に公開されるWindows Server 2003 Service Pack 1で実現する新機能として,Datacenter Editionで対応CPU数が拡張されることが明らかになった。現在,最大32CPUのサポートが64個までに増える。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)