米Microsoftは,このほどスパイウエアに代表されるデセプティブ・ソフトウエア(詐欺ソフト)対策の戦略を立案した。この不正なソフトによるWindowsのエラーはMicrosoftに報告されるものの50%強を占めるようになっており,IT業界にとっても重大になっている。同社のパートナにとってもスパイウエアがサポート上の第1の問題になっており,業界のサポート・コストのうち年間数百万ドルを占めるという。

 今週早く,Microsoftなど業界数社は米連邦取引委員会(FTC)に,スパイウエアによる脅威とこの問題への対策方法を報告した。FTCは既にスパイウエアによるクレームを多数受けており,それに対抗する政策作りに取り組んでいる。月曜日にワシントンD.C.で開催されたFTCスパイウエア研究会では,Microsoftが同社の努力を披露した。対策は,消費者教育,テクノロジ,業界の優れた取り組みの公開などから成る。同社は,早期の立法化を避けたい意向。立法化は,詐欺ソフトの配信を止めるにはあまり良い方法と思わないためという。

 スパイウエアの利用が最近増加している理由は,いくつかある。例えば,それらが著名なシェアウエアに付属して配布されたり,勝手に送りつけられるメールでダウンロード可能になっていたり――などである。ほとんどのスパイウエアはユーザーに不快を与える程度のものだ。パソコンのホーム・ページ設定の書き換え,ランダムなポップアップ広告の立ち上げがその例だ。しかし,中には危険な処理を行うものがある。長距離電話をかけたり,不法な方法でユーザー情報を送信したりする。

 Microsoftは新しいスパイウエア対策ツールを近く提供するWindows XP Service Pack 2やMSNで提供する。SP2では,Internet Explorer(IE)にポップアップ広告のブロック,新しいツールバーによる無用なソフトのダウンロードの抑制,ダウンロードしたソフトウエアの分かりやすい表示,ブラウザのアドオン・プログラムの一覧・制御――といった機能が備わる。また,同社のMSN Premiumサービスでは,McAfee Securityのウイルス対策ソフトで詐欺ソフトを検知・除去する。

 同社は,詐欺ソフトから身を守ったり,除去したりするための情報を提供するWebサイト(該当サイト)も開設した。このサイトでは,以下に挙げる5つのヒントが解説されている。
・Webブラウザのセキュリティ設定を適切に選ぶ。
・知らない人から提供されるソフトウエアをダウンロードしない。
・コンピュータで詐欺ソフトの兆候を探す。
・不要なソフトを検出して削除する。
・Windowsを常に最新の状態に保つ。

(Keith Furman)