米Microsoftは現在,著作権侵害とセキュリティ対策の間で微妙な問題に直面している。先週だれかがインターネット上に,Windows Server 2003(ボリューム・ライセンス版と標準的な小売パッケージの両方)のキー生成ソフトを漏えいさせたのだ。

 こういう状況を想定してもらいたい。もし,ソフトウエアの著作権をだれかが侵害しており,ソフトウエア・メーカーがそのことを知ったとしたら,著作権侵害者によってセキュリティ・パッチやほかの更新をダウンロードするのを許すだろうか?

 一見したところこの質問には明快な回答があるように思える。だが,ちょっと待ってほしい。そういう著作権を侵害されたソフトウエアの数が,何百万にもなるとしたら,そしてウイルスやワームをインターネット中に撒き散らすためのゾンビとして,それらを使う攻撃者がいるとしたら,どうだろうか。そう考えるとちょっと結論はあいまいになってくる。つまり,Microsoftは現在,そういう問題に直面している。

 Microsoftによれば,お客のシステムがそのキー生成ソフトで作ったプロダクトIDを使っているかどうかは分かるが,同社がこういう場合に更新を許すかどうかという問題が持ち上がったのである。今のところ同社はどうするか口をつぐんでいて,Product Activation(ライセンス認証)は,Longhornの時代になれば今より高度なものになる,としか言っていない。

(Paul Thurrott)