米MicrosoftのBill Gates会長は今週,多くの業界ウォッチャーが長らく予想していたことをはっきりさせる発言をした。Gates会長はカリフォルニア州サンディエゴで開かれた「Gartner Spring Symposium」で,「多くの人々が,(Longhornの出荷が)2006年になるだろうと予測しているが,これは多分正しい予測だろう」と語ったのだ。その一方で,そもそもLonghornの出荷時期自体が保証されたものではなかったのだから,遅れが生じたというわけではない――とも述べている。

 Longhornのリリース・スケジュールに関してGates会長は,MicrosoftがLonghornのアルファ版を2004年内にリリースすると述べた。ただしアルファ版のリリースは,2004年5月にシアトルで開催される「WinHEC」でリリースされると予想されていた。Gates会長は「今年中には,だれでも試せるアルファ版を出荷する予定だ。またこの段階になれば,(Longhorn製品版の出荷時期に関する)正確な日付を明らかにできるだろう」と述べている。また,Gates会長は触れなかったが,そもそもMicrosoftはLonghornの「ベータ1」を,夏の終わりまでにリリースする予定だった。この予定も今後どうなるか明らかになっていない。

 会合の出席者から,MicrosoftはLonghornの出荷の前に,Windows XPの暫定的な新バージョンを出荷するのではないかと質問されると,Gates会長はWindows XP Service Pack 2(SP2)がその暫定版のリリースに当たると冗談めかして述べた。Microsoftは,「XP Reloaded」という開発コード名の暫定的な新バージョンの出荷を検討しているが,Gate会長はこの件について触れずに,「SP2と呼ぶ新しいリリースなら存在する。Windows XP SP2は素晴らしいリリースだ。夏に登場するSP2は,セキュリティを主眼に開発された。SP2は,ファイアウオールが自動的にオンになるという点で,インターネットからダウンロードしたファイルなどをブロックするという点で,ブレークスルー的な存在だ。XP SP2は,セキュリティに特化したものであり,新しい機能や新しいAPI,新しいユーザー・インターフェースがあるわけではない。SP2は純粋にセキュリティにフォーカスしている。もし,新しいシステムを買おうとしているのであれば,SP2こそが最良のクライアントOSであると強く主張したい。しかし,本当に大きなブレークスルーとなるリリースは,次期バージョンであるLonghornだ」と語った。

(Paul Thurrott)