米MicrosoftはWindows XP Service Pack 2(SP2)の公開に合わせて,システム管理者向けのサポート・ツールを拡充する方針を明らかにした。Windows XPの仕様や機能が,SP2で大きく変更されることに対応した取り組みである。

 システム管理者向けに提供予定の新ツールの1つは,「Windowsファイアウオール」(現在のWindows XPが標準で備えるファイアウオール機能を強化した新機能)に関連したものである。MicrosoftのWindows導入部門のRyan M. Burkhardtリード・プログラム・マネージャは「パソコン上でアプリケーションがどのポートを利用しているのか,情報を収集できるツールを用意する」としている。

 Windowsファイアウオールのようなパーソナル・ファイアウオール・ソフトを導入すると,企業LANで利用するネットワーク・サービスやネットワーク・アプリケーションの利用が阻害されることがある。そのため管理者はWindowsファイアウオールを導入する前に,企業内LANにおいてどのようなネットワーク・アプリケーションが利用されているか調べ,その実態に合わせてWindowsファイアウオールを設定する必要がある。Microsoftが提供する新ツールは,このような調査作業を自動化するものである。

 またBurkhardt氏は,Windows XP SP2でアプリケーションが稼働するかどうかを調べるツール・キットも拡充する予定であることを明らかにした。Windows XP SP2では,RPCやDCOMなどの仕様が変更されるが,この変更がアプリケーションにどのような影響を及ぼすか,管理者が把握しやすくする。

 Windows XP SP2に関しては,仕様の変更によって多くの既存アプリケーションが利用できなくなるのではないかと危惧されているが,Burkhardt氏は「現在,Microsoftのテスト・チームは,1500以上のアプリケーションをWindows XP SP2上でテストしており,ユーザーに与える影響を慎重に測っているところだ」と述べた。

(中田 敦=日経Windowsプロ)