コンピュータ・メーカー大手の米Hewlett-Packardと米Microsoftの協力関係に陰りを感じさせるニュースが相次いだ。HPは3月24日,様々な市場に向けたPCの選択肢として米Novellの「SuSE Linux」を加える予定だと発表した。他にもHPは,以前にアジアと東ヨーロッパにおいてLinuxの販売を決めたり,iTunesに関してAppleと提携を結んだりした。これらのことを考え合わせると,岩のように堅かったHPとMSとの協力関係は(合併以前に別会社だったHPとCompaq双方との協力関係にさかのぼれば数十年になる),もはや脆くなったのではないかと思わせるものがある。

 確かにこの巨大なPCメーカーは活気を取り戻しており,今ここで少しその力を誇示しているように見える。Microsoftは1990年代半ばに,IBMのような巨大なPCメーカーを震え上がらせた。そのやり方を思い出して最近のこうした動きを考えれば,潮の向きが少し変わったことは確かだろう。多分の米国の独占禁止法違反に関する訴訟は,つまるところ全くの時間の無駄だったわけではなかったのだ。

(Paul Thurrott)