TechNetのWebサイトに3月22日付けで,次期SQL Server(開発コード名Yukon)に関する技術資料が公開されている(該当サイト)。技術資料は次の5種類。

SQL Server Yukon Beta 1 DTS実用ガイド
 Yukonではデータ変換サービス(DTS)が新たに設計し直された。様々なイベントやエラーに応じた制御フローを定義できる。DTSの中核コンポーネントはネイティブ・コードで書かれているが,C#やVisual Basic.NETなどの.NET対応プログラミング言語からも利用でき,独自の変換処理を作成できる。この文書では,YukonのDTSの概要や新機能について解説している。

DBA向けSQL Server Yukon概要
 Yukonでは,データベース管理者(DBA)向けの機能が強化されている。データベースの作成や管理のためのツールであるWorkbench(旧Enterprise Manager)が強化されただけではなく,性能のチューニングのためのツールや,信頼性を向上させるクラスタリングのための機能などが提供されている。この文書では,管理者向けに,Yukonの可用性や拡張性,セキュリティに関する新機能などの概要について説明している。

SQL Server Yukonリレーショナルエンジンセキュリティ機能の紹介
 最近はセキュリティが最も重要なテーマの1つになっている。Yukonのセキュリティ・アーキテクチャは,現在のSQL Server 2000から大きく改善され,例外事項を少なくした簡潔な規則モデルになっている。この文書では,新しいセキュリティ・モデルに関して解説している。

SQL Server Yukonのビジネスインテリジェンスおよびデータウエアハウジング概要
 Yukonは,分析アプリケーションを開発するためのツールや機能を備え,ビジネス・インテリジェンス(BI)プラットフォームとなっている。この文書は,分析アプリケーションを開発するときに利用するツールの概要と,BIシステムを開発,管理するための新機能について解説している。

SQL Server Yukon Reporting Services展開ガイド
 Yukonでは,サーバー・ベースのレポート作成機能であるSQL Server Reporting Servicesが提供される。この文書では,Reporting Servicesの概要やインストールの手順,基本的な操作方法などについて説明している。

 Yukonは2005年に出荷が予定されているSQL Serverの次期版。.NET Framework 2.0と統合され,C#やVisual Basic.NETなどの.NET対応プログラミング言語を使ってストアド・プロシージャを記述できる。XML(拡張可能なマークアップ言語)に関する機能も強化する。XMLデータをそのまま格納するXMLデータ型や,XMLデータに対してクエリーを起動できるXMLクエリーなどの機能が新たに追加される。XML Webサービスによってストアド・プロシージャを起動する機能も備える予定である。

(山口 哲弘=日経Windowsプロ)