米Microsoftは3月16日,ネバダ州ラスベガスで「Microsoft Management Summit(MMS)2004」を開催し,同社の運用管理製品群のロードマップと,その基本概念である「Dynamic Systems Initiative(DSI)」を明らかにした。DSIとは,Microsoft製品に管理技術を追加し,製品の導入から移行までのライフサイクルすべてを企業がより容易に管理できるようにする取り組みである。Windows Server部門担当のシニア・バイス・プレジデントであるBob Muglia氏は基調講演で,DSIといくつかの新製品を強調した。

 「企業はシステム管理に苦痛を感じ続けていますが,コンピュータ業界はそれを解決する素晴らしい手段があると大げさに宣伝するばかりで,実際の製品をまだ提供していません。MicrosoftはDSIを通じて,ソフトウエアを徹底的に管理しやすくし,顧客がIT投資を大幅に節約できるように努めます」(Bob Muglia氏)。Muglia氏によれば,マイクロソフトの新製品には,「より簡単な管理」という観点で開発した技術が搭載されているという。

 Muglia氏が披露した新製品の1つが「Windows Update Services(WUS)」である。これは中小企業向けの無料ソフトウエア展開ツールである「Software Update Services(SUS)」の次期バージョンだ。SUSはWindowsクライアントの修正モジュールを展開するツールであるが,WUSでは新たにSQL Server,Exchange Server,Office 2003/XP,Windows Serverの修正モジュール展開が可能になる。WUSは2004年末にリリースされる予定だが,Microsoftの広報によれば,公開ベータ版が夏にも登場する見通しだ。

 他の新製品も発表された。「Microsoft Operations Manager(MOM)2005」は,運用管理サーバーの次期版で,ビジネス活動のモニタリングやWebサービス管理機能などが含まれる。MOM 2005には「MOM 2005 Express」という中小企業向けの簡易版がある。「System Center 2005」は統合管理製品で,「Systems Management Server(SMS)2003」やMOM 2005,新しいレポーティング・エンジンが含まれる。「Device Management Feature Pack」はSMS 2003用の新しいフィーチャー・パックで,SMSのユーザーは「Pocket PC」や「Windows Mobile-based SmartPhone」といったWindows CEベースのデバイスの管理や展開が可能になる。

 新製品の多くは,現在ベータ版の状態であるか,ベータ版がもうすぐ登場する予定である。Microsoftはこれら新製品を2004年内に出荷したい考えだ。

(Paul Thurrott)