先日,私のインスタント・メッセージのポップ・アップ・ウィンドウが開き,こう質問してきた。「インターネットで見つけた情報があるが見たいか」。その内容はWindows 2000のソース・コードの一部で,タイム・スタンプが03/08/89(1989年03月08日)のWINVER.Cというファイルの内容だった。しばらくの間,私はWindows NTのアーキテクトであるDavid Cutler氏が書いたこのソース・コードを調べた。その数時間後,インターネットには,Windows NTとWindows 2000のソース・コードの一部が流出したという記事が流れた。

 最終的に米Microsoftは「木曜日(2004年2月12日)にWindows NT 4.0とWindows 2000のソース・コードが不正にインターネットに漏えいしたことを知った」と,ソース・コード流出の事実を認めた。「Microsoftのソース・コードにアクセスできる第三者による不正行為で,そのような行為は非常に残念だ。現在,このような行為に関して調査中で,適切な司法的措置をとる。今のところ,Microsoftの社内ネットワークや社内セキュリティが侵害された事実はないし,ユーザーに対する影響も分からないが,今後も引き続き状況を監視していく」としている。

 流出したWindows 2000のソース・コードは3万以上のファイルで容量は約700Mバイトにも上る。伝え聞くところによると,それらのソース・コードは実際に動いているOSの一部で,全体の約15%に当たる。

 ソース・コード流出の影響は日増しに大きくなっているにもかかわらず,ソース・コード流出は避けがたいものになっている。なぜなら,数年前からMicrosoftは,自社のシステムに隠し機能があるのではないかという嫌疑を払拭することなどを目的に,ソース・コードを学生やIT技術者,政府関係者に対して公開しているからだ。

(Paul Thurrott)