米VMwareの日本法人ヴイエムウェアは2月2日,同社の仮想マシン・ソフトによって構築された仮想マシンを一元管理するソフトウエア「VirtualCenter」を発表した。データセンターや企業などで複数の仮想マシンを稼働させている場合に,システム・リソースの割り当てや仮想マシンの導入・展開が効率化しやすくする。価格は50万円から。

 主な機能には,(1)1台のESX Serverマシン上で複数の仮想マシン環境を稼働させているとき,各仮想マシンに割り当てるCPUやメモリーの量を調整できるようにする,(2)あらかじめ作成しておいた仮想マシン環境のひな型を使い,新しい仮想マシンを高速に導入・展開する――がある。

 また,別売モジュール「VMotion」機能を使うと,システムを稼働させたまま異なるESX Serverマシンへ仮想マシンを移動できる。サービスを稼働させたままマシンをメンテナンスしたり,CPUやメモリーを増設したりできるようになる。

 ヴイエムウェアは米VMwareの日本法人で,販売パートナのサポートなどを主な業務として2003年5月に設立された。Microsoftが米Connectixから仮想マシン・ソフト「Virtual Server」などを買収したことに関して,このほど来日した米VMwareのDiane Greene社長は「多分Windows Serverの移行が主な用途であり,ITインフラの効率的な活用を目的とするESX ServerとVirtualCenterの組み合わせとは目的が違う」という見解を示している。

 VirtualCenterの利用には管理サーバー(マネジメント・サーバー)が必要になる。管理サーバー・ソフトはWindows 2000 Server/Advanced Server,Windows Server 2003,Web/Standard/Enterprise Edition,Windows XP Professional上で動作する。管理対象となる仮想マシンのゲストOSはESX Server 2.0.1上で動作するWindows NT Server 4.0/Windows 2000 Server/Windows Server 2003/Windows XP Professional,NetWare/Linuxなど。

 仮想マシン・ソフトは,物理的に1台のマシンに,あたかも複数のマシンが稼働しているかのような環境を構築するソフト。サーバー向け仮想マシン・ソフトはサーバーの台数を減らしてコストを削減するサーバー統合を中心に活用される。仮想マシン・ソフトで作成された仮想マシン環境のOSはゲストOSと呼ばれ,仮想マシン・ソフト自体が稼働するOSはホストOSと呼ばれる。VMwareの仮想マシン・ソフトには,ホストOSを必要としないESX Serverと,ホストOSを必要とするGSX Serverがある。VirtualCenterの管理対象は,サーバーOSをゲストOSにする仮想マシン・ソフト「ESX Server」で構築された環境。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)