64ビットCPUのItanium 2とWindows Server 2003を組み合わせた大規模システムの導入が相次いでいる。富士写真フイルムは12月15日,基幹業務のデータ・ウエアハウスに64ビット・システムを導入し稼働を開始したと発表した。また,JTBは12月16日,Webサイトのデータベース・システムを64ビット・サーバーで構築し2004年1月から稼働することを決めた。このほかにも11月25日に,オンライン証券会社のカブドットコム証券が64ビットのデータベース・システムの導入を発表している(既報)。Itanium 2が2002年7月,Windows Server 2003が2003年6月といずれも出荷開始から月日がたっているが,ようやく大規模システムで64ビットWindowsを導入する事例が出始めてきた。

 富士写真フイルムの新システムは, 「SAP BW3.1」を採用するデータ・ウエアハウス。システムの構築・運用は,関連会社の富士フイルムコンピューターシステムが担当した。この他にインテル,NEC,SAPジャパン,マイクロソフトの4社が協力した。サーバーはNEC製「Express5800/1320Xd」,OSは64ビット版のWindows Server 2003,Enterprise Edition,データベース・ソフトにSQL Server 2000 Enterprise Edition(64-bit)を採用する。従来は10台のサーバーで「SAP BW2.0B」を運用していた。これをExpress5800/1320Xdのパーティショニング機能を利用して1台に集約した。

 JTBは,同社のWebサイト「JTB.co.jp」のデータベースに利用する。稼働開始は2004年1月下旬の予定。サーバーは日本ユニシス製「ES7000/400」で,本番系/待機系/開発系の3台を導入する。OSは64ビット版のWindows Server 2003,Datacenter Edition,データベース・ソフトはSQL Server Enterprise Edition(64-bit)。JTBのWebトラベル事業部長 北上真一氏は「選択肢として現行機種のES7000/100のCPU増設も検討したが,コスト・パフォーマンスの高い64ビット化を選択した」と64ビット・システムの導入理由を語る。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)