米Hewlett-Packard(HP)は12月4日,クライアントPCにかかる導入・管理コストを削減する新ソリューション「HP Consolidated Client Infrastructure(CCI)」を発表した。クライアントPCを統合してデータ・センターに設置し,ユーザーはそこへ端末型PCからアクセスする。ユーザー数分のデスクトップPCを用意せずに済み,センターで集中的に運用管理ができる。

 コストを削減する仕組みは,Windowsのターミナル・サービスと似ている。同技術では,1台のコンピュータ(ターミナル・サーバー)に複数ユーザー分のデスクトップ環境をソフトウエア的に用意して,そこにユーザーが端末型PC(シン・クライアント)でアクセスする。これに対して,CCIではボード状のPC(ブレード)を複数収容する「ブレードPC」がターミナル・サーバーの役割を果たす。

 ユーザーが端末型PCでブレードPCにアクセスすると,1つのブレードが動的に割り当てられる。個人のデータは,SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)などでブレードPC内の各ブレードと接続された共有ストレージに格納する。ユーザーはどのブレードを割り当てられても個人のデータにアクセスできる。

 同社の試算によるとサポート・コストを最大70%,運用コストを1ユーザー当たり年間で1200ドル削減できる。4年周期で計算すると,全体で約50%のコストが削減できるという。

 ブレードPC「bx1000 Blade PC」は,CPUに米Transmeta製「Efficeon」を,OSとしてWindows XP Professionalを採用する。ネットワーク経由でブレードPCにアクセスする端末型PC「t5000」は小型な上に,CPUに「Crusoe」を採用することで発熱を抑えており,冷却ファンがなく静かだという。2004年第1四半期に,米国とカナダで発売する。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)