三重県を地盤とする地方銀行の百五銀行は日本ユニシスと共同で12月2日,勘定系を含む次期基幹システムをWindows Serverで構築すると発表した。システム開発は日本ユニシスが担当し,バックエンドには同社のPCサーバー「ES7000」を採用する。

 銀行の勘定系でWindowsの採用を明らかにしているのは国内では新生銀行だけで,世界的に見ても非常に珍しい。百五銀行は現在,日本ユニシスのメインフレームを使用している。新商品・サービスの開発が迅速にできるなど「環境変化に柔軟に対応できること,中長期的なコスト削減が可能な点」(前田肇頭取)を重視してWindowsシステムへのリプレースを決めた。コスト削減には,日本ユニシス製のメインフレームを使っている他行ユーザーが同様のWindowsシステムを採用して,運用を共同化することも見込んでいる。

 開発スケジュールは次の通り。要件定義は,2004年4月から12月の予定で百五銀行と日本ユニシスの2社が担当。その後,日本ユニシスがシステムを開発してから,2社で検証をする。2007年に本稼働を開始し,運用/保守はアウトソーシングの形で日本ユニシスが担当する。詳細は発表していないが,OSとして次期Windowsの「Longhorn」(開発コード名),データベースは次期SQL Serverの「Yukon」(同),CPUにはインテルの64ビットCPU「Itanium 2」シリーズの次々世代製品「Montecito」(同)を採用することも視野に入れているという。

 同日,日本ユニシスとマイクロソフトは金融機関向けの大規模ミッション・クリティカル・システム分野でのWindows Serverの普及を目指して,共同プロジェクトを開始すると発表した。この提携は両社の日本法人同士のものだが,米Microsoft内に専従の部署を設置したり,開発中のOSやサーバー・アプリケーションの仕様に対して本プロジェクトの要求を検討させたりするなどの体制を敷く。百五銀行のシステム開発は,本プロジェクトのサポート対象第一弾となる。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)