調査会社のノークリサーチは11月26日,2003年度上期(4~9月)の日本国内におけるIAサーバーの市場調査を発表した。これによると,対前年比で台数ベースでは約16%増と増加に転じたのに対し,金額ベースでは低価格化の影響で5.2%減になった。メーカー別のシェアではNECが25.4%のトップで,2位には昨年3位だった富士通がわずか0.1%の差でデルを逆転したと分析している。

 今回の調査は10~11月の間に各サーバー・メーカーへの直接取材を行い,独自のデータベース情報から分析したもの。それによると,2003年度上期のIAサーバー市場は16万5600台と前年度より16.1%増えた。一昨年の14万9000台を上回り過去最高の出荷台数となっている。要因としては,景気回復傾向の反映,IT投資減税,Windows Server 2003へのリプレース,2000年問題に合わせて導入した企業の見直しサイクル,などが挙げられている。この傾向は特に中堅・中小企業を中心にしばらく続き,下期(10月~2004年3月)も前年度より14%増加する19万1000台の出荷を予測。通年で35万6600台の出荷台数となる見込みを示している。

 一方,金額面ではサーバーの低価格が進んでいると見ている。上期の出荷台数が増えたのに反し,金額ベースの市場は5.2%減の1223億円と相変わらず減少している。この要因としては,ベンダー間での価格競争に加え,低価格サーバーを求めるユーザーのニーズが高いことが原因と指摘している。

 メーカー別で見ると,台数ベースのシェアは1位が昨年と同じNECで25.4%だが,富士通が16.7%で2位に返り咲いたと分析している。といっても,3位のデルのシェアを16.6%と見ており,その差はわずか0.1%。合併効果が出始めた日本ヒューレット・パッカードも15.4%と大幅にシェアが回復していると見ており,2番手グループは混戦模様のようだ。以下,日本IBM(12.7%),日立製作所(6.6%)と続いている。

(根本 浩之=日経Windowsプロ)