米Microsoftと提携している時計メーカーのフィンランドSuuntoと米Fossilが2004年初めに,「Smart Personal Object Technology(SPOT)」と呼ばれるIT腕時計技術に基づいた新製品を発表する予定だ。Microsoftが11月18日夜(米国時間),COMDEXが開催されている米国ラスベガスで明らかにしたもの。米Microsoft ResearchのRoger Gulrajani氏は,Windows .NET FrameworkのSPOT版が搭載された最終製品かそれに近いモデルをデモンストレーションした。

 米Suuntoと米Fossilの時計には,MSN Directの新しいDirectBandという無線サービスを受信するアンテナが付いていて,ユーザーの生活に密着した情報を腕時計の120×90ドットのモノクロ液晶に表示する。無線サービスは,米国の主要都市でFM多重放送を使うことで,定期的に情報を配信する。また,腕時計には,ARM CPUが搭載されており,動作周波数28MHz,512KバイトのROM,384KバイトのRAMを内蔵している。

 MicrosoftのBill Gates会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトによると,「これぞ,次世代の時計だ。あなたは,天気などのチャンネルを選ぶだけだ。そして時間帯によって表示内容を更新する。これで腕時計の技術は向上する」。

 新製品の価格帯は129~299ドル。そしてMSN Directの課金は月に9.99ドル(年59ドル)である。MSNとの契約がなくても時間は表示するが,MSN Directに接続すれば,天気,交通,スポーツといった情報を定期的に更新してくれる。6.0以降のMSN Messengerならば,パソコンから腕時計にテキスト・メッセージを送れる。

 バッテリ寿命は,Fossil製の腕時計が1回の充電で3日間,Suunto製の腕時計が約5日間である。どの製品もユニークなデザインをしていて,アンテナを備えている。ユーザーが複数の腕時計を持っていても,MSNからの情報を受信できるように設定できる。

(Paul Thurrott)