NECは11月6日,サーバー障害からの自動復旧や負荷変動に応じた自動追加を行うソフトウエア「SystemGlobe BladeSystemCenter」を発表した。このソフトは同社のブレード型PCサーバー向けの製品で,自律型コンピューティングを実現する。ほかには,1台のマシンをスケジュールに応じてOSやアプリを入れ替える自動構成変更機能も備える。対応OSは,Windows 2000 ServerとWindows Server 2003。出荷開始は2004年1月,価格は120万円から。

 自律型コンピューティングは,サーバーの可用性向上と管理コスト削減のために,大手ハード/ソフト・メーカー各社が注力している戦略。米IBMの「Autonomic Computing」や米Hewlett-Packardの「Adaptive Infrastructure」,米Microsoftの「Dynamic System Initiative」などがあり,各社が技術開発を進めている。NECでは「VALMO」と呼ぶ自律型コンピューティングの戦略があり,SystemGlobe BladeSystemCenterもこのコンセプトに基づく製品。

 SystemGlobe BladeSystemCenterを使用するには,あらかじめ予備のブレード・サーバーを設置しておく必要がある。同ソフトがサーバーの故障を検出すると,自動的に空のサーバーへOSとアプリケーションを含むディスク・イメージを転送し,元のシステムを復旧する。他にもシステムの過負荷状態に応じて,サーバーを自動で追加し負荷を分散させることにも対応している。通常のクラスタリングだけでは,あらかじめ代替するマシンに合わせた設定が必要である。これに対して,同ソフトを使えばサーバーのディスク・イメージを共有ディスクに用意しておくだけで,マシンの設定はほとんどいらず,クラスタリングの管理が格段に向上する。

 今回の発表と同時にCPUを変更したブレード型PCサーバーの追加モデルも発表した。3.06GHzのXeonを搭載する「Express5800/420Ma N8400-017」が53万円。低消費電力型のXeon(1.6GHz)を搭載する「同 N8400-018」が30万円。出荷開始は2003年11月。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)