Windows XP Service Pack 2(SP2)の登場が遅れているのはなぜか,米Microsoftは10月末,この疑問の答えになるような情報を明らかにした(関連記事)。

 Windows XP SP2では,Windows XPの全セキュリティ機能がデフォルトでオンになる。つまり,「インターネット接続ファイアウオール(ICF)」はオンになり,Windowsの「メッセンジャー・サービス」はデフォルトでオフになる。さらに,Windows XP SP2では,Internet Explorer(IE),Outlook,Outlook Express,Windowsメッセンジャが新バージョンになる予定だ。これらのアプリケーションには電子メールの添付ファイルをより安全に扱える機能が追加されている。Windows XP SP2のIEは,Windows Server 2003のIEと同じデフォルト設定になり,様々な機能がロックされる。

 このほかMicrosoftでは,Windows XPにおいてワームやウイルスをまん延させる原因となっているバッファ・オーバーラン・エラーの危険性を減らす機能を追加する。具体的には,米Intelや米AMDが今後計画しているCPUに,危険なコードの実行を制限するハードウエア機能を搭載する予定があり,MicrosoftはWindows XP SP2において,この機能を利用するのだ。もちろん,Windows XP SP2をインストールすれば,様々なセキュリティ上の修正パッチが自動的にOSに適用され,ぜい弱性は修正される。

 Windows XP SP2のリリースが遅れるのは,これら数多くのアップデートがWindows XP SP2に含まれるからにほかならない。Microsoftは,Windows XP SP2のロードマップを公開したときに,これらの情報も開示してくれればよかったのだが。

(Paul Thurrott)