マクロメディアは10月30日,Flashコンテンツ作成ツールの新版「Flash MX 2004」および「Flash MX Professional 2004」を発表した。Flashは元々ベクトル・グラフィックスのアニメーションを作成するデザイナ向けツールとして登場したが,今回はProfessional版を中心にWebアプリケーションのクライアントを開発するプログラマ向けツールとしての機能を充実させた点が目立つ。

 マクロメディアは2世代前のツール「Flash 5」のころから再生ソフト「Flash Player」にスクリプト実行環境を搭載するなどクライアント環境としてのFlashテクノロジを推進してきた。しかし,肝心の開発環境がプログラマ向けではなかった。クライアント・アプリケーションを作る場合でも,映像コンテンツと同じタイムライン(時間軸)を使った作業が必要だったためである。そこで今回,タイムラインの代わりにフォーム・フローを中心にアプリケーションを構築するモードをProfessional版に追加した。このモードではVisual Basicなどと似たスタイルで開発ができるようになるという。

 フォームに張り付けて利用するユーザー・インターフェース部品の種類を増やしたほか,SOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)を使ったデータ・ソースへの接続や,これらデータ・ソースとの結合を可能にするコンポーネントが付属し,Webサービスのクライアントなどを容易に開発できる。プログラミング言語であるActionScriptにもクラス構文を取り入れるなどの強化を行った。プロジェクト単位でのファイル管理やVisual Source Safeを使ったリビジョン管理機能など統合開発環境としての機能も一般的な開発ツール製品に近づけている。

 価格はFlash MX 2004が5万8000円,Flash MX Professional 2004が8万4000円。同日に発表したWebデザインツール「Dreamweaver MX 2004」やWebグラフィックス・ツール「Fireworks MX 2004」などを同こんしたスイート製品も用意する。Flash MX 2004を同こんする「Studio MX 2004」が9万8000円,Flash MX Professional 2004を同こんする「Studio MX 2004 with Flash Professional」が12万円。

(斉藤 国博=日経Windowsプロ)