マイクロソフトは10月15日,Active Directoryの簡易版「Active Directory Application Mode(ADAM)」の日本語版を公開した。マイクロソフトのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 ADAMは,ユーザー企業やサード・パーティが独自に開発したしたアプリケーションに組み込んで,ユーザー・アカウントや各種オブジェクトを管理するディレクトリ・データベースとして利用できる製品である。米Microsoftの無償版メタディレクトリ管理ソフト「Identity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directory」を使用して,Active DirectoryのデータをADAMに同期させることが可能だ。

 Active Directoryは,スキーマを拡張することで様々なアプリケーションのディレクトリとして利用可能ではあるものの,安定稼働しているActive Directoryに手を加えたくないユーザーが多いため,現実にはスキーマを拡張して利用されることはほとんどない。アプリケーションのディレクトリとしてADAMを別途利用すれば,Active Directoryのスキーマ拡張をしなくて済むほか,基本的なユーザー情報はActive Directoryのものを流用できるため,新しいディレクトリを構築するのと比べて手間がかからない。

 ADAMの対応OSは,Windows Server 2003, Datacenter Edition/Enterprise Edition/Standard Edition,Windows XP Professional,Windows XP 64-bit Edition。Windows XPでのADAMの利用は,アプリケーション開発時のみに限られる。

 なお,無償版メタディレクトリ管理ソフトであるIdentity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directoryは,米Microsoftが7月に発表した「Microsoft Identity Integration Server 2003, Enterprise Edition(MIIS)」の簡易版に当たる製品である。MIISでもActive DirectoryとADAMの同期は可能だ。

 MIIS並びにIdentity Integration Feature Pack for Microsoft Windows Server Active Directoryは,ディレクトリ・データを格納するために,別途SQL Server 2000が必要である。

(中田 敦=日経Windowsプロ)