日本IBMは10月8日,ノート・パソコンを落としたときに起こるハードディスクの損傷を防ぐ機構を組み込んだ「ThinkPad R50」「同 T41」を発表した。この仕組みは「ハードディスク・アクティブプロテクション・システム」と呼ばれるもので,同社が独自開発した業界初の技術だという。

 ハードディスク・アクティブプロテクション・システムは,パソコンの基板上に加速度センサーを実装することで実現した。加速度センサーがパソコン本体の落下や衝撃を感知すると,ハードディスクにデータの読み出し/書き込みを中断して磁気ヘッドを退避エリアに移動するよう指示する。ハードディスクの磁気ヘッドは,データを読み/書きしているときは磁気ディスク上に浮いているが,衝撃を受けると磁気面を傷つけてデータを損失させる。一方,退避エリアでは磁気ヘッドがディスクに接地しているので耐衝撃性が高い。

 このほかにも,ハードディスクをショック・アブソーバできょう体に固定して衝撃自体を物理的に和らげたり,バックアップ・ソフトを組み込んでソフトウエア的なトラブルを回避するなど,データ保護の工夫が施されている。直販価格は2機種とも21万9000円から。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)