米Microsoftの内部協力者のお陰で,筆者は次期Windows OSである「Longhorn」(開発コード)の「Aero」と呼ばれる新しいユーザー・インターフェースのスクリーン・ショットを入手した(Aero screen shot gallery)。

 Aeroのデザインの詳細は,Longhornが出荷される2005年末までに,劇的に変化するだろう。しかし,今回筆者が入手したスクリーン・ショットは,筆者が接触したMS社員によると,かなり“リアル”なものだという。

 今回入手したスクリーン・ショットを見ると,Longhornのユーザー・インターフェースは,Windows XPと比較してかなり進化していることが分かる。Longhornは「Activity center-like Windows」というシンプルで分かりやすいユーザー・インターフェースから各種作業が行える。筆者とスクリーン・ショットに関して意見を交わしたMicrosoftの幹部によれば,同社はPC上で作業をする際の分かりやすい“入口”を設けることで,ユーザーの混乱に終止符を打ちたいのだという。

 最近リークされたAeroのスクリーン・ショットのほとんどは,Longhornのマルチメディア機能に関連するものが中心だ。なぜならLonghornは,「Windowsをデジタル・ライフスタイルの中心に位置付ける」というBill Gates氏の目標をかなえるためのOSだからである。

 Longhornでは,ユーザーは様々なデジタル・デバイス――デジタル・カメラやポータブル・オーディオ・プレイヤー,スピーカー,USBメモリーなど――を簡単に管理できるようになる。例えばLonghornでは,アプリケーションごとに全体の音量設定とは異なる音量設定を施せるようにしている。これは「サウンド・ボリューム・ミックス」と呼んでいる。掲載したスクリーン・ショットの中にも,Microsoft Outlookで新着メールを受信したときの音量設定を,全体の音量設定とは違うものに設定しているときのものが含まれている。

 「Activity Center」という発想は,Windows Meのときに始まったものだ。Longhornでは,各アプリケーションに共通する設定を施す画面が従来よりも集中化されているので,ユーザーはシステムの設定画面でさまよわなくてよくなった。例えば従来のWindowsでは,ポータブル・オーディオ・デバイスやPocket PC,USBメモリーといったデバイスや,「オフライン・ファイル」のようなソフトウエア機能を利用するときには,各機器/ソフトウエアごとにPCとの間でデータを同期する設定を施す必要があった。それに対してLonghornは「SyncManager」という新機能を備えており,このSyncManagerコントロール・パネルから,すべての同期作業が実行できる。SyncManagerコントロール・パネルでは,すべてのデバイスやソフトウエアの同期設定や,デバイスの管理,他のプログラムとの連携の設定などが可能である。

 Microsoftの首脳は,Longhornに搭載する機能に関して,あいまいな態度をとり続けている。しかし,これらのスクリーン・ショットが,Microsoftが目指すものを明らかにしてくれた。このスクリーン・ショットを偽物だと主張する人がいるかもしれないが,筆者はこれらが本物だという確認をとっている。また,筆者はMicrosoftのエヴァンジェリストであるRobert Scoble氏の声明がすべてを語っていると考えている。Scoble氏は自身のWeblog(該当サイト)で,「私の同僚の何人かは,私がリーク情報サイトにリンクしたことを知って腹を立てている」「私は上司との間で結んだNDA(秘密保持契約)があるので,Longhornが公になるまで,何も言うことはできない」と述べている。

(Paul Thurrott)