コンピュータ・ベンダー大手が相次いで一般消費者向け製品を強化している。Microsoft,Apple Computer,Sony,Gatewayなどに続いてこのほど米Hewlett-Packardが新戦略を発表した。キャッチ・フレーズは「徹底的に簡単で,いっしょに使うとさらに便利に」である。

 この新戦略は,HPの消費者向けコンピュータ,デジタル・カメラ,プリンタ,スキャナなどの各製品で共通のユーザー・インターフェースや物理的なコネクタといった互換性を追求する技術を採用するというもの。同社は,報道機関向けのイベントを利用して,この戦略を発表し,家庭向け製品の秋のラインアップを披露した。150以上の新製品がある。

 「本日は,これまで複雑な技術に混乱させられてきた消費者の転換点となります。弊社は一般消費者の比類ない知識と技術的な独創性を使って,この複雑さを切り捨て,テクノロジを人々の生活におけるポジティブな要素や連絡・発見・娯楽の手段およびそれ以上のものにします。われわれのビジョンはシンプルです。デジタル体験の中心にいる消費者に対して,技術をシンプルにして使うことが楽しくなるように,そしていっしょに使うとより便利になるようにします」とHP会長兼CEOのCarly Fiorina氏は述べた。この戦略の一環としてHPは,小売店に「エクスペリエンス・センター」も開設する。これはBest Buy,Circuit CityやCompUSAのような量販店の中でHPの製品ラインを一同に集めるもの。そこでは,よく消費者が遭遇するシナリオを示すことで購買意欲をそそるようにする。

 HPが今回発表した製品には以下のようなものがある。スタジオ写真以上の画質と耐久性の写真が作成できる業界初の消費者向け8色カラー・フォト・プリンタ,低価格の光沢写真紙,ライティングに応じた写真が撮影できるデジタル・カメラ,HPのデジタル・カメラ用ドックとWindows Media Centerパソコンを組み合わせたHP Photosmart PC,HP Image Zoneと呼ぶ画像処理ソフト,読み取る情報が透けて見えるスキャナ,無線機能を備えるオールインワン・プリンタ,iPAQ用モバイル・カメラ,PCの中のコンテンツをTVで受けるためのデジタル・メディア・レシーバ,17インチ・ワイド・スクリーンに3.06 GHzのPentium 4プロセッサやHarmon Kardonスピーカを備えたPavilionノートPC。

(Paul Thurrott)