先月にも報告したように(該当ニュース),パッチ管理の悪夢を終結させるために,Microsoftは全製品を対象にした新しい中央集約型のパッチ管理アーキテクチャを現在開発中である。これは,Microsoft Updateという仕組みや関連ツール,インストーラなどのサービスを組み合わせた新世代のインフラである。今週,Microsoftが新しいパッチ管理システムで利用する2つのインストール・プログラムのうちの1つであるMicrosoft Installer 3.0の初めてのベータ版を公開した。Microsoft製品を利用している全ユーザーにとって,夢と思っていたことが現実味を帯びてきた。

 Microsoftは「ユーザーからは,出荷前に製品のぜい弱性を減らし,弱点を悪用される前にパッチを入手できるように言われている。しかし,タイムリに高品質のパッチを配布するのは現在のわれわれの体制では簡単ではない。そのため,もっと簡単なパッチ管理が必要となっており,それを実現するために効果的で一貫性のあるツールを作っている」という。今回のMicrosoft Installer 3.0は2004年初めに出荷される予定である。

 Microsoftは,新しいインストーラのテクノロジに関して,いくつもの目標を持っている。Microsoftによると,「例えば,ホットフィックスやセキュリティ・パッチ,その他のアップデートの適用に当たって可能な限り再起動としないようにする。どれが既にインストール済みのパッチでインストールする必要がある重要なアップデートはどれなのかを判断するシンプルでより一貫性のある方法が必要だ。パッチは顧客を危険にさらすことのないようできるだけ早く提供されるべきである。そしてもちろん最初からきちんと動作するパッチで公表時に提供されるべきである」とする。

 今回のMicrosoft Installer 3.0は,これに答える解の1つに過ぎない。Microsoftは,今後数カ月の間にパッチ配布のためのインフラをさらに整備し,Windows Updateや自動更新のようなアップデートの機能は徐々になくしていき,バックエンドで動作する新しい共通の更新サービスにしていく。Microsoft Updateと呼ばれるものは,企業で利用している全製品のアップデートを実現する,より幅広いサービスとして登場する。Systems Management ServerやMicrosoft Baseline Security Analyzer,Software Update Servicesといった,パッチ配布に関連するその他の製品は,新しいインフラの特徴を利用できる形にアップデートされる。

(Paul Thurrott)