マイクロソフトは8月5日,Windows Server 2003のダンプ・リストを自動解析するツール「Support Tools for Microsoft Operating System Phase 6」を発表した。ミッション・クリティカルな業務システムに障害が起こったとき,その原因分析作業を大幅に効率化できるという。8月15日以降に,同社のWebサイトから無償で入手可能だ。

 このSupport Toolsは,Windows Server 2003のクラッシュ・ダンプを自動解析する「Kernel Memory Space Analyzer 」とユーザー・モードで動作するアプリケーションのスナップショット・ダンプを生成する「User Mode Process Dump」の2種のツールで構成されている。64ビット版のWindows Server 2003でも利用可能だ。

 Kernel Memory Space Analyzerは,これまで相当高い技術スキルがなければ解析できなかったクラッシュ・ダンプを自動解析し,システムが異常終了した原因を比較的容易に特定できるようにする。STOPエラーの内容に応じて障害情報を分類,データベース化し,類似した障害が再発したときの対応を迅速にする支援機能も備える。

 User Mode Process Dumpは,監視対象のアプリケーション・プロセスが異常終了したときやGUIアプリケーションがハングアップしたときに,スナップショット・ダンプを自動生成する。ダンプ・ファイルはWindows Debuggerで解析する。

 これらのツールは,マイクロソフトとNTTデータ,NTTデータ先端技術,NEC,日本ヒューレット・パッカード,日本ユニシス,富士通の7社が,高可用性が求められるシステムへのサポート能力を強化するために共同開発したものである。1998年からマイクロソフト調布技術センターを拠点にしてサポート・ツールを開発するプロジェクトを進めてきた。今回リリースするツールは,その成果の一部である。

(渡辺 享靖=日経Windowsプロ)