マイクロソフトは2003年7月3日,電子メール/グループウエア・ソフトの最新版Exchange Server 2003を8月から,ボリューム・ライセンス・プログラムのSelect LicenseとOpen Licenseを通して順次販売開始すると発表した。これに先立って,7月3日から同ソフトの120日間評価版も提供する。マイクロソフトのWebサイト(該当サイト)からダウンロードまたは評価キットの申し込みができる。

 Exchange Server 2003の新しいライセンス体系も発表した。既に発表されたWindows Server 2003のライセンス体系と基本的に同じ形を踏襲している。主な変更点は,Exchange Server 2003にアクセスできるクライアント用ライセンス(クライアント・アクセス・ライセンス,以下CAL)に関するものである。従来のマシン単位のライセンスに加えて,ユーザーを単位としたCALが追加された。マシン単位のCALを「デバイスCAL」,ユーザー単位のCALを「ユーザーCAL」と呼ぶ。ユーザーCALを使うと,1人のユーザーが複数のパソコンを使っている場合にCALの購入数を減らせるメリットがある。

 ライセンス価格はオープンだが,Exchange 2000 Serverと同等の水準になるという。例えば大量購入を前提としたSelect License(価格レベルA)を利用して購入する場合,Exchange Server 2003 Standard Editionの推定市場価格は8万5100円,同Enterprise Editionは48万6500円,ユーザーCALは8200円(デバイスCALも同額)である。適用条件の緩いOpen Businessを利用して購入する場合は,Exchange Server 2003 Standard Editionの推定市場価格が13万4000円,同Enterprise Editionが76万8000円,ユーザーCALが1万2900円(デバイスCALも同額)となる。

 なお,パッケージ販売も予定しているが,発売時期は未定である。

(渡辺 享靖=日経Windowsプロ)