マイクロソフトは6月30日,携帯情報端末(PDA)向けソフトウエアの最新版「Windows Mobile 2003 software for Pocket PC 日本語版」(Pocket PC 2003)をハードウエア・メーカー向けに提供開始した。Pocket PC 2003は,従来のPocket PC 2002と比較して無線LANなどの通信機能やマルチメディア機能を強化したのが特徴。

 Pocket PC 2003ではWindows XPのように無線LAN機能が大幅に使いやすくなっている。これは「ゼロコンフィグレーション機能」と呼ばれ,周囲にあるアクセス・ポイントを自動的に検知して接続設定が簡単にできる仕組み。ほかには,近距離無線通信規格のBluetoothを標準でサポートする。従来は,ハードウエア・メーカーが独自にドライバ・ソフトを用意していた。

 また,近々発表予定の「Exchange Server 2003」を使うことで,パソコンを経由することなくネットワーク経由で直接,予定表やメール,連絡先の同期を取ることが可能になった。Pocket PC 2003では,OS部分にWindows CE .NET 4.2を採用しており.NET Compact Frameworkの実行環境が標準で搭載されている。搭載端末は,NECインフロンティア,カシオ計算機,東芝,日本ビクター,日本ヒューレット・パッカード,富士通の6社が発売を表明している。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)