マイクロソフトは6月25日,最新のサーバーOS「Windows Server 2003,Standard Edition」と「同Enterprise Edition」のパッケージ製品の販売を開始した。同社にとって新しいサーバーOSのリリースは,2000年2月のWindows 2000 Server以来3年半振りである。ボリューム・ライセンスは,すでに6月2日より販売開始していたが,今回のパッケージ販売開始でようやくWindows Server 2003が幅広く正式にスタートを切ったことになる。

 午前中の記者発表会では,コンピュータ・ベンダー,ソフトウエア・ベンダー,システム・インテグレータなど多数のパートナ企業が集まり,展示や事例紹介などが行われた。発表会では,米Microsoftの日本担当副社長のマイケル・ローディング氏(7月1日よりマイクロソフト日本法人の社長に就任)が,壇上に上がり進行役を務めた。同氏は,「企業のIT投資がここ2年間で頭打ちにあるなかで,少ない投資でも最大の効果が発揮できるソリューションを提供するため,Windows Server 2003を日本で発売する」と語り,Windows Server 2003の「品質重視」「セキュリティ」「インフラの効率化」の高さを強調した。

 続いて,今年5月に取締役に着任したばかりのエンタープライズ・ビジネスを担当する平井康文氏が,ビデオを交えてWindows Server 2003の早期導入事例を紹介。富士フイルムコンピューターシステムの小松日出雄代表取締役社長や,NECの小林一彦執行役員常務,SAPジャパンの藤井清孝代表取締役社長を招いて,64ビット版Windows Server 2003とItanium 2サーバー,SAP BWを使った富士写真フイルムの基幹業務への採用事例を紹介した。

 マイクロソフトが発表会を通じて強調していたのが,パートナ企業との連携重視である。ソフトウエア・ベンダーやハードウエア・ベンダーのトップを多数招いて壇上に上げ,あるいはビデオ出演を交えながら,パートナ企業といっしょにWindows Server 2003を販売していく方針を示した。

(木下 篤芳=日経Windowsプロ)