5月に企業向けウイルス対策ソフトの新製品「eTrust Antivirus 7.0」を発売したコンピュータ・アソシエイツ。米本社のeTrustセキュリティ・ソリューション担当ストラテジストであるイアン・ハマロフ氏(写真)は,日経Windowsプロのインタビューで「企業向けウイルス対策ソフトとして初めて“ライセンス管理の容易さ(easy to license)”を低価格に実現したソフトで,予算や人員が足りない中小企業に非常に向いている」と新製品の強みを語った。

――コンピュータ・アソシエイツは「eTrust Antivirus 7.0」発表に合わせて,ウイルス対策ソフトの低価格攻勢を開始しました(関連記事)。これは全世界レベルの戦略なのですか?

 そうです。ウイルス対策ソフトはセキュリティの基礎となる部分であり,簡単で包括的なソリューションである必要があります。既存のウイルス対策ソフトのように,毎年ライセンスの更新がいるようでは,「インストールを簡単に(easy to install)」「ライセンスを簡単に(easy to license)」というコンピュータ・アソシエイツの方針から離れてしまいます。この「インストール/ライセンスが簡単」という点が,競合他社とは大きく異なる点です。

――具体的にはどう違うのですか?

 既存ウイルス対策ソフトは,様々な製品をいろいろなレイヤーで提供しているため,顧客が何を買えば分からないほど複雑なラインアップになっています。それがeTrust Antivirus 7.0では,クライアントPC版,サーバー版,グループウエア版のすべてを一括して提供しています。価格も1ユーザー当たり1900円からと,競合製品に比べて低価格です。

 また顧客にとって,新しいウイルス定義ファイルを受けるためにライセンスを毎年更新しなくてはいけないのが頭痛の種でした。しかしeTrust Antivirus 7.0を一度購入すれば,新しいウイルス定義ファイルは永続的に無料で入手できます。これは,コンピュータ・アソシエイツが開始した新しいトレンドです。

 eTrust Antivirus 7.0は,ライセンス管理が簡単なので,予算や知識のない中小企業にとって,非常に魅力的な製品になるでしょう。

――セキュリティ製品に関して,ウイルス対策ソフト以外で注力している製品はありますか?

 アクセス・コントロール製品の「eTrust Access Control」です。企業が設けるセキュリティ・ポリシーに基づいて,正しいユーザーだけが正しい情報にアクセスできるように,ユーザー・アカウントを管理するソリューションです。SAPやPeopleSoftの人事管理システムと連携して,ユーザー・アカウント管理を自動化することが容易になっています。

――ユーザー・アカウント管理ソリューションに対する関心は,日本ではあまり高くないように感じています。管理者に対するメッセージはありませんか?

 このソリューションによって「管理者が楽になる」ということの価値を,もっと理解してほしいと考えています。不正侵入の防止という神経を使う仕事から解放されれば,管理者は別の分野の作業に力を注げます。多くの管理者も,「.NETの新しいサービスを導入する」といったような,もっとワクワクするような仕事をしたいと思っているはずです。

(中田 敦=日経Windowsプロ)