米国ダラスでMicrosoftの最新技術カンファレンス「Tech・Ed 2003」が開幕した。6月2日の基調講演で,SQL Serverの次期バージョンであるYukon(開発コード名)やExchange Server 2003の開発が遅れていることを明らかにした。また,Windows技術を使ってファイル/プリント・サーバーを構築する新製品の提供も発表している。

 Tech・Ed 2003でベータ版のお披露目が噂されていたYukonだが,当初の予定より開発が大幅に遅れていることを明らかにした。オープニングの基調講演で同社のWindows Server System担当上級副社長のPaul Flessner氏は,「2004年前半ごろに出荷するとアナウンスしていたが,2004年後半に出てくるだろう」と事実上延期したことを明らかにした。

 一方,Exchange 2000 Serverの次期バージョンである「Exchange Server 2003」は,Tech・Edに合わせて,ようやくRelease Candidate(製品候補版)1の提供にこぎつけた。Paul Flessner氏は「このリリースに向けてかなりの労力を費やした。まもなく,みなさんのワイヤレス・デバイスにつながるようになる」と語った。このため,当初は6月に予定していた正式出荷は今年夏にずれ込むという。

 同基調講演では「Windows Storage Server 2003」という新製品を用意していることも明らかになった。ファイル/プリント・サービス,ストレージ・サービスを提供するサーバー製品で,ディスクの内容を瞬間的にコピーする「ボリューム・シャドー・コピー・サービス」や,既存のイーサネットを利用してストレージ・エリア・ネットワークを構築するための規格「iSCSI」にも対応しているという。出荷時期は未定。

(小野 亮=日経Windowsプロ)