最近,Internet Explorer(IE)に関する仕事に従事している人間は本当にいるのだろうか。もし,いるなら恥を知るべきだ。IEはエンドユーザーの使い勝手という観点では1998年ごろから明らかに改良されていない。

 先般,読者から,MSがIEの将来について語っているWebページ「Changes in Internet Explorer for Windows Server 2003」のリンクが送られてきた。これによると,事態はますます悪くなっている。このリンクにはIEの次期版について同製品のプロダクト・マネージャBrian Countryman氏がオンラインでチャットしたときの様子がQ&A形式で記録されている。同氏によると「IEは今後OSの一部として進化し,単独製品としての未来はない。IE 6 SP1が単独でインストールできる最後のWebブラウザ製品である」という。

 理由は「既存のOSはIE 6 SP1によって頂点へ上りつめた。これ以上IEを改良するにはその下にあるOSを強化する必要がある」というものだ。こうした見方は悲しむべきものでゆがめられている。どういうわけかMicrosoftは,IEがWebブラウザの中で「頂点」を極めたと信じているようだ。

 だが,IEには重要で基本的な機能のいくつかが欠けている。とりわけ,自動的にポップアップする広告の除去は競合製品がすべて備えているものだ。この機能を追加するのにOSの変更は不要だろう。MicrosoftはIEが機能的に完成しており,新機能はその下のプラットフォームの改良のみによって可能になると信じている(この場合はLonghornである)。これはたわごとだ。IEの開発は,他のブラウザから市場シェアを奪うときだけに重要になる,といわれるのも無理はない。