マイクロソフトは5月28日,同社のソフトウエア・ライセンス制度「ソフトウエア・アシュアランス」の利用企業に,新たに“特典”を追加すると発表した。この特典は,(1)Officeを社員の自宅でも使えるようにする,(2)OSをネットワーク経由で簡単にインストールできるソフトウエアを提供する,(3)技術情報サービス「Microsoft TechNetサブスクリプション」を提供する,(4)社員向けにマイクロソフト製品を2割引で販売する――などであり,いずれも追加費用を徴収しない。2003年9月から提供される。

 ソフトウエア・アシュアランスは,一定期間(2~3年間)内に登場する新バージョンへのアップグレード料金を定額で前払いするライセンス制度である。サーバー製品やデスクトップ製品全般が対象になる。今回の特典の対象には,「オープンライセンスバリュー」という,250台未満のPCを利用する中小企業向けにライセンスを3年分割払いで販売する制度や,ソフトウエアを年額で利用する「Microsoft Enterprise Agreement」も含まれる。

 2003年9月以降,Officeのソフトウエア・アシュアランスを購入している企業では,社員が自宅でも無償でOfficeを利用できるようになる。マイクロソフトは「最新のOfficeを自宅でも利用してもらって,ユーザーが新しいソフトに早く慣れてもらうことが狙い」と説明している。

 OSや各種のアプリケーションをネットワーク経由で簡単かつ高速にインストールできる管理ツールも提供する。これは,「Windows PE(Pre-install Environment)」と呼ばれているもので,CD-ROMブートが可能なWindows XPをベースに開発されたツールである。このツールを使うには,あらかじめOSや各種のアプリケーションをインストールしたPCのディスク・イメージをキャプチャしておく。次に,OSをインストールしたいマシンをWindows PEを使ってブートし,ディスク・イメージをネットワーク経由でローカル・ディスクにコピーする。これだけでPCのインストール作業が完了する。

(中田 敦=日経Windowsプロ)