トランザクション処理性能を競うTPC-Cベンチマークの最近のレースで,米Microsoftと米Hewlett-Packard(HP)のタッグが,TPC-Cのノンクラスタ部門の王座を奪還した。

 ここ数週間,この王座を巡る争いはヒートアップしている。Windows Server 2003の出荷が始まった先月,MicrosoftとHPはWindows 2003とMicrosoft SQL Server 2000(ともに64ビット版)の組み合わせで,65万8277tpm(1秒当たりのトランザクション数),1トランザクション当たり9.8ドルというハイ・スコアを記録した。しかしその2週間後,米IBMがDB2 UDB 8.1とAIX 5L v5.2の組み合わせで68万613tpm,1トランザクション当たり11.13ドルというスコアをたたき出して王座を奪っていた。

 しかし,IBMの王座も長くは続かなかった。5月20日,MicrosoftとHPは70万7102tpm,1トランザクション当たり9.13ドルというスコアを出した。前回の記録と同様に,MicrosoftとHPはWindows 2003, Datacenter Editionを搭載した「HP Superdome」と64ビット版SQL Server 2000 Enterprise Editionを使用している。

 TPC-Cベンチマークに関しては,IBM対Microsoft連合軍というパフォーマンス戦争に関心が集まっている。というよりも,Microsoftが次々とベンチマーク結果をTPCに登録していることが,ここ数年まるでアップデートがなかったTPC-Cベンチマークに関する争いをスパークさせている。

 重要な競合相手である米Oracleと米Sun Microsystemsは,最近のこの争いには距離を置いており,専らこのベンチマークの正当性を批判している。とはいえ皮肉なことに,かつてベンチマーク・テストで自社のパフォーマンスを誇示していたのはこの2社であった。

 Windows 2003の出荷に当たってMicrosoftは,UNIXが一時的にパフォーマンスの王座を奪うことはあっても,最終的にはWindows 2003が王座を奪い返し,維持し続けるだろうと述べている。