インテルは5月22日,ハイパースレッディング・テクノロジ(HTテクノロジ)に対応した普及価格帯のPentium 4プロセッサ(動作周波数2.80C GHz/2.60C GHz/2.40C GHz),並びに企業用PC向けのチップセットであるIntel 865G/865PE/865Pを発表した。HTテクノロジはこれまで同社のハイエンド・プロセッサだけが実装していた技術。今回の新製品によって「HTテクノロジを企業向け/コンシューマ向けPCの“メインストリーム・セグメント”に普及させる」(米Intelデスクトップ製品事業本部のビル・レツィンスキー氏)という。

 HTテクノロジはマルチタスク処理性能を向上させるもので,1個のCPUがあたかも2個あるかのように動作する。Intel 865G/865PE/865Pは,同社のハイエンド・チップセットであるIntel 875とほぼ同じ機能を持ち,USB 2.0やシリアルATAに対応するほか,ストリーム・データの処理を高速化する専用バス「コミュニケーション・ストリーミング・アーキテクチャ(CSA)」を搭載する。

 インテルは,HTテクノロジとCSAを使用することによって,ギガビット・イーサネット使用時のマルチタスク処理性能が大幅に向上するとしている。同社が実施した「PowerPoint文書をAcrobat文書に変換しながら,ギガビット・イーサネットを使って大容量のファイルをダウンロードする」というテストでは,Pentium III(動作周波数500MHz)を使用した場合の性能を「1」とすると,従来のPentium 4(同2.80GHz)の性能が「2.99」で,今回発表したPentium 4(同2.80C GHz)とIntel 865の組み合わせでは「4.90」になるという。

 なお,動作周波数の表示形式が「2.60C GHz」といった具合に「C」が付くのは,動作周波数が同じプロセッサを,システム・バスの動作周波数の違いによって分けるためだ。従来のPentium 4ではシステム・バスの動作周波数が533MHzのものと400MHzのものがあったが,新しいPentium 4のシステム・バスはいずれも800MHzで動作する。

 Pentium 4の価格(1000個注文時の1個当たり)は,2.80C GHzが3万3580円,2.60C GHzが2万6330円,2.40C GHzは2万1500円。チップセットの価格は,統合グラフィックス機能や統合ソフトウエアRAID機能の有無によってことなり,3990円~5320円である。

(中田 敦=日経Windowsプロ)